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沼澤 拓也(ぬまざわ たくや) 沼澤 拓也(ぬまざわ たくや)

プロフィール

  • 株式会社ピーオーピーオリジン代表取締役
  • 札幌大学非常勤講師
  • POP広告クリエイター技能審査専門委員
  • 札幌商工会議所付属専門学校 非常勤講師
  • 商店街活性化推進調査研究チーム所属

等々、詳しいプロフィールは
オフィシャルサイトに掲載中です。

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【POP広告】 ユニバーサルサービスの概念を大切に!

2013.09.27
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 早速ですが、次のことをご存知ですか?
 「価格がみえない」「商品が重たい」「手が届かない」この他にもいろいろありますが、これらは高齢者が買物の際、とても困っていることの代表例です。
 また、「店員の説明がわからない」「意志伝達がむずかしい」「表示がないとわからない」こちらも他にいろいろありますが、これらは聴覚障害者の困っていることの代表例です。
 さらに、視覚障害者や肢体不自由者、外国人、妊婦さんもそれぞれとても困っていることがあります。
さてここで『ユニバーサルサービス』という言葉を聞いたことはありますか?
 (社)公開経営指導協会(以下 本協会)が推進しており、「集合研修」や「通信教育講座」並びに「資格試験」など、今必要とされている概念であり、注目を集めているスキルです。そのテキストから抜粋しますと、「ユニバーサルサービスとは、子供から高齢者、身体にハンディを持っている人まで、あらゆる人の立場にたって、公平な情報とサービスを提供すること」とされています。
 したがって「POP広告」も情報発信ツールとして、このような定義や概念をもとに「年齢や能力、障害にかかわりなく、すべてのお客様のためのPOP広告」(以下 ユニバーサルPOP)が今まさに必要とされていく時代です。
 これまでのことから例えば、下記画像のように『ユニバーサルPOP』の【原則】を設定することができます。

画像1

 

 「お客様は欲しい情報を難なく入手し、満足した買物をしている」と言い切れるお店は、果たしてどのくらい存在しているのでしょうか。
「POP広告」のアドバイスで店舗巡回する際、「当店はPOP広告を重視しています。<生産地>も<素材>もそして<消費期限>など基本情報は明確に表示しています」とこの手の回答が返ってくることが非常に多いです。最近マスコミなどで取り上げられることが多く、確かにお客様にとって重要な情報です。
しかし『ユニバーサルPOP』の概念から考えると情報についての捉えかたの次元が違います。
前述のとおり、「買物環境」、そのなかでも「情報収集」に焦点を絞ると、「価格がみえない」「表示がないとわからない」など、お客様によっては欲しい基本的な情報の入手に困難をきたしていることが予想以上に多いことに気づきます。
 それではひとつづつ解説していきます。

 【原則】1.公平に伝達できるPOP広告

 『ユニバーサルサービス』の解説にもありましたが、お店には子供から高齢者、身体にハンディを持っている人など、多くのお客様が来店します。子供が一人で買物に来た際、果たして今のPOP広告は見えているのでしょうか。「価格が見えない」と悩みを持っている高齢者がいるように来店するお客様の習性や行動、特性をしっかり分析する必要があります。

 <改善ポイント>
◎ 表示物自体の拡大
◎ 色の調整
◎ 取付け位置

 【原則】2.簡単に理解できるPOP広告

 よく専門的な知識を自慢するかのようにウンチクを書き記すPOP広告を見かけます。もちろん、専門品を取り扱っているお店でしたら問題ありません。しかし、最寄品を扱うお店の場合、なるべく簡略化した情報発信を意識するべきです。複雑にせず、使用方法やメリットなどがすぐわかるように表現することが必要不可欠です。

 <改善ポイント>
◎ 文字数の削減
◎ 専門用語や外来語に注意
 ◎ イラストを活用

 【原則】3.すぐに情報収集できるPOP広告

 なるべく情報は分散せずに集中させることが大切です。「触地図」(下記画像)というのをご存知ですか?「店舗構成」「売場平面図」が点字などで親切に表記されています。施設(店舗)の全体像が容易に把握できるので、集積施設の店舗入口やサービスカウンターなどに設置するところが増えています。

画像2

 

<改善ポイント>
◎ 文字の拡大
 ◎ 可読性のある書体使用(点字の使用)
 ◎ 絵文字を活用

すべての【原則】をすべてのお客様に対して当てはめるということはとても難しいことです。例えば、取付位置にしても通常のゴールデンスペースである高さ85~125cmでは、子供や高齢者には高すぎます。細かく見ていくとこの「すべてのお客様に」という【原則】設定はとても難しいことです。
しかし、どれか要件をみたすことが重要なのです。すべてのお客様に情報格差や負荷の少ない店づくりを提供していく場合、この意識がこれからのPOP広告には必要であり、それがお客様のニーズなのです。
ニーズを商品ベースだけで考えてしまうと情報入手に困難さを感じている人の視点で捉えることはできません。
これからは〝マインドニーズ〟に焦点を当てるべきです。高齢者や体の不自由な人の求めている〝マインドニーズ〟を追求してください。
 この『ユニバーサルPOP』はまだ発展途上の段階、というより永遠に続く課題です。これからまだまだ整理されていき、一歩ずつその課題を解決していきながら情報格差がなくなる「POP広告」の展開が可能になります。より良い「買物環境」をつくりあげるためにはとても重要なことであり、望まれています。
常にPOP広告を「ユニバーサルサービス」の視点で考えて頂きたいのです。
きっと商売の新たな視野が開かれます。

 

 

カテゴリー:POP広告