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【小説】もし日本の総理大臣がPOP広告を描いたら〔第1章〕15
〔第1章〕 高大は『繁盛店が必ずやっているPOP 最強のルール』と出会った
第4節―2)
【あらすじ】 国にとってのお客さまって誰なのだろうか?高大はまず〝お客さま〟というところで迷走していた。
この本をもう少し読み進めると、氣になっていた図解に〝店視点〟と〝お客さま視点〟の違いが比較されていた。図解によれば、目的が大きく異なることが理解できた。〝店視点〟の目的は〝売上アップ〟で、〝お客さま視点〟の目的は〝信用アップ〟とあった。
〔目的〕
◎店視点 → 売上アップ
◎お客さま視点 → 信用アップ
高大は〝店視点〟を〝国視点〟と置き換えて考えることができた。つまり、国の立場や都合ということだ。今の政治は自信を持って〝国視点〟であると断言できた。
さらに図解によると、店の雰囲気も異なることが分かった。〝店視点〟の店の雰囲気は〝せっぱ詰まる〟で、〝お客さま視点〟の店の雰囲気は〝明るく楽しい〟とあった。
〔店の雰囲気〕
◎店視点 → せっぱ詰まる
◎お客さま視点 → 明るく楽しい
高大はこちらも〝国の雰囲気〟と置き換えてみた。この本に書かれている店というところをこれから国に置き換えて考えることにした。
その結果どうなるのか!ということについても図解にははっきりと書かれていた。
〔結果〕
◎店視点 → お客さまが減少
◎お客さま視点 → お客さまが増加
これを知った高大は恐怖で全身が震える感覚に襲われた。そして次のように決意していた。
―――一刻も早く〝国にとってのお客さまは誰なのか?〟を解明しなくてはいけない。
しかし、高大にとって、いや彼だけではない、この日本にとって最重要課題である〝お客さま〟が定義できなかった…。
【予告】 青山にある父のお墓を参拝するのが高大の習慣であった。