投稿記事一覧 > 2014年05月04日
【小説】もし日本の総理大臣がPOP広告を描いたら〔第2章〕2
〔第2章〕 高大は日本のPOPに取り組んだ。
第1節―2)
【あらすじ】 この国のお客さまを定義できずにいた高大は「繁盛店が必ずやっているPOP 最強のルール」からヒントを得ていた。それにより“感動を与えたい対象がお客さま”だと一筋の光明を見つけていた。
高大は解決の糸口となるヒントを探すためにさらに読み進めた。そして、とても興味深い頁にたどり着いた。
商品購入後に使っている場面を連想させる(第1章 ポイント6)
この頁には次のように書かれていた。
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商品に興味をもったお客さまは、自分のライフスタイルと関連づけて「自分や家族にとって必要だろうか」「旅行に持って行ったら便利かな」などと、商品購入後の状況を連想し始めます。~ ~連想しやすい買い場づくりのためには商品が活躍する場面を想定し、提案することが重要です。(36頁)
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当たり前であるが、お店には商品があるように、繁盛店には支持される商品が必ずあるのだ。
高大は商品というところを公的サービスと置き換えて考えた。選挙の際の公約も商品であるとしみじみと感じていた。
続けてこう書かれていた。
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商品は舞台でいうところの主役。店側は監督としてその主役が活躍する見せ場を念入りに検討しましょう。(36頁)
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そして、同じ頁(36頁)の図解には、お客さま(舞台の観客)が登場人物として表現されていた。
高大はこの図解によって大きな氣づきを得ていた。それは次のように考えることができたからだ。
〔舞台上〕
◎主役=商品→政治公約、公的サービスなど
◎場面=日常生活
〔舞台演出〕
◎監督=店→国、国民
〔舞台の観客〕
◎登場人物(観客)=お客さま→???
―――この舞台の観客は誰だろう?
高大は、お客さまの明確な定義の設定に少しずつではあるが近づいていると信じていた。日本を舞台と設定した場合、外国人観光客はまさにお客様であると分かった。しかし、高大の中にはもっと重要なお客さまが存在しているように思えてならなかった。
なぜなら、次の部分が頭からはなれなかったからだ。
お客さまに感動を与えるために、店主・スタッフはPOPを通して何を伝えることができるのでしょうか。(31頁)
―――この国が感動を与えたい対象は誰なんだろう?
外国人観光客だけのはずはないと。〝お客さま視点〟というのを〝外国人観光客の視点〟と置き換えると違和感を抱かざるを得ないのだ。もっとしっくりくる〝お客さま〟や〝お客さま視点〟があると信じてならなかったが、一筋の光は闇に閉ざされそうになっていた。
【予告】 党の定例役員会での出来事。そこでは…