投稿記事一覧 > 2016年10月28日
【小説】 もし日本の総理大臣がPOP広告を描いたら〔第1章〕13
〔第1章〕 高大は『繁盛店が必ずやっているPOP 最強のルール』と出会った
第3節―2)
【あらすじ】 薬局の女性スタッフから教えてもらった同じ商店街の本屋に、高大は「繁盛店が必ずやっているPOP 最強のルール」を購入しに訪れていた。
「以前は厚生労働省の認定だったようです。詳しいことはわかりませんが」
高大にとって検定と言えば、英検や漢検のイメージであった。英検は学生時代に1級を取得していた。世界中の人々とコミュニケーションを図りたいという氣持ちが強かったので特に集中して勉強に励んでいた。
「私は独学です」と、久住さんは自分で描いたPOPを何枚か見せながら説明してくれた。
「よくメディアで取り上げるベストセラー本とかは放っておいても買ってくれますが、ほとんどの本は氣づかれずに売場から撤去されます。でも、素晴らしい本がたくさんあります。そういう本を知ってほしい。私の思いの強い本には手描きでPOPを作っています。この本なんか日本で一番うちが販売しています。たった一枚のこのPOPだけで、10年間で3000冊買って頂きました。ベストセラー本と比較すると3000冊はたいした話ではないように思うかもしれませんが、思いのこもったPOPのパワーはすごいです。その点こっちの出版社から商品とともに送られてくるきれいに印刷されたPOPは効果がさっぱりです。無いよりましなので使っていますが、私が本当に読んでほしいと思った本には手描きでPOPを作り変えます」
高大は感心しながら聞いていた。そしてこうも感じた。
―――POPのことを熱く語る店主さんだ。さっきの薬屋さんもそうだったけど、POPの何がそうさせるのだろうか?
高大は興味がいっそう膨らんでいた。
久住さんは高大を店の奥の方へ連れて行き、壁に貼られているたくさんのPOPを見せながら話した。
「これは小学生や中学生が描いたPOPです。生徒さん達が読んだ本のPOPを描いてもらいました」
「すべて生徒さんのPOPですか?」高大はあまりにも上手な手描きPOPに感心していた。
「考え方や描き方を教えると子供たちの習熟スピードはとても早いです。可能性をヒシヒシ感じます」
―――読書感想文を書くことより、POPを描くことの方が実践的な教育なのかもしれない。
高大はこのように思っていた。そして、「誰でも描けるようになりますか?」
「もちろんです!日本の総理大臣でも」久住さんは笑みを浮かべながら言った。
この後、いくつかのPOPを見せて頂き、目からウロコの状態でお店を後にした。そして、車の中で3つの質問をするのをまた忘れて帰ってきたことに氣づいたがもう遅かった。
高大もPOPに夢中になりすぎていたのかもしれない…。『POP最強のルール』を片手に官邸へ戻っていった。
この本が高大の大きな味方となるのだった!
【予告】 『POP最強のルール』を手に入れた高大は、早速ページを開いた。
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