投稿記事一覧 > 2016年11月04日
【小説】 もし日本の総理大臣がPOP広告を描いたら〔第1章〕16
〔第1章〕 高大は『繁盛店が必ずやっているPOP 最強のルール』と出会った
第5節―1)
【あらすじ】 国にとってのお客さまって誰なのだろうか?高大にとって、いや彼だけではない、この日本にとって最重要課題である〝お客さま〟を、まだ定義できずにいた。
今日5日は、高大の亡き父(享年65歳)の月命日であった。昨年の11月5日に亡くなった父は、20年もの間、闘病生活を送っていた。
それは突然の出来事であった。
実質的に総理大臣を決める党内の党首選挙のさなか、高大の父は体調を崩し倒れたのだ。何事もなければ党内の議員からは圧倒的な支持を得ていた父(このとき45歳)が間違いなく党首に選ばれていたのだが、結果、199票対1票の大惨敗であった。
亡き父が志していたトップに立って日本の☆党・派閥政治を壊し、いやそれどころではなく一つひとつの政策を☆党・派閥を超えて議論しあう政治につくり変えようとしていたが、あと一歩と言うところで成し得なかったのだ。当時、高大は15歳であった。
この件で高大は長年派閥を超えて苦楽を共にしていた仲間の議員たちが父を裏切ったと今でも恨んでいたのだ。
青山にある父のお墓を参拝するのが高大の習慣であった。
自宅から歩いて30分のところにあるため、早朝のウォーキングコースになっていた。以前からウォーキングは習慣であったが、父が亡くなってからはお墓参りがコースとなっていた。
習慣にした理由はそれだけではなかった。ここに来るとなぜかパワーを注入される感覚を抱いていた。
そう感じていたから、何か難題に遭遇すると必ず墓前で話しかけた。今日もそうであった。そして、最重要課題である次のことを聞いてみた。
「この国にとってのお客さまは誰なのでしょうか?」
もちろんこたえが返ってくるはずがなかった。しかし、何となく氣持ちが落ち着いた。せっぱ詰まっていては良い結果は得られないと、あの本に書いてあったことを思い出した。
このとき、高大は次のように感じていた。
―――この質問を繰り返せば、ひょっとするとヒントが見つかるかもしれない。
「やはり今日も来ていたんだね」
背後から声がしたので高大は振り返った。
【予告】 この日本にとって最重要課題である〝お客さま〟が定義できる?
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