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【小説】もし日本の総理大臣がPOP広告を描いたら〔第2章〕4
〔第2章〕 高大は日本のPOPに取り組んだ。
第2節―2)
【あらすじ】 党の定例役員会がはじまった。高大はこの1年間、この役員会でもお飾りの状況であった。その高大が!
高大を除いては通常通りに進んでいた役員会だが、高大の発言の番になった。役員の皆はいつもどおりの発言を待っていたが、今回は違っていた。
「われわれのお客さまは誰ですか?」
これが静寂ということかと思える時間がその場を流れた。高大はもう一度役員の皆に尋ねた。
「われわれ政府、政権を担うもの、いわばこの国。この国のお客さまって誰ですか?」
幹事長はいつもどおりに役員会を早々に切り上げようとしていたが、まったく予期せぬ出来事に言葉を失っていた。
副総理はまったく質問の意味を理解していなかった。それもそうだ。政治にお客さまという概念など皆無であったからだ。
あとの役員3人のうち2人は腕組みをし、真剣に考えていた。
静寂の中、唯一の女性役員で大学の先輩である政策会長の伊藤望(いとうのぞみ)が笑顔で口を開いた。
「総理。お客さまですか?それはお店や会社のお客さまと同義に考えてよいですか?」
「そうです。そのお客さまという意味です」高大は言った。
「お店や会社でしたら、やはり売上げをもたらしてくれる人になりますね。政府に売上げをもたらしてくれる人ですか…?」
すると腕組みをしていた役員のひとりがぽつりとつぶやいた。
「国民…」
するともう一人が同調するようにいった。
「そうだな、国民だよな」
「われわれは国民のために政治を司っているから国民だろう!」本当の質問の意味を理解しているのか疑問だが副総理が発言した。
「私は国民ではないように思うのです。なんかシックリいかない…」伊藤がこうこたえた。
「国民は会社で例えると社員であり、野球チームであればナイン、サッカーチームであればイレブン、つまりメンバーなんです」
高大は持論をはじめて発言した!
このような高大の姿を目の当たりにした役員たちはその思いのこもった説明に納得していた。
「それじゃ、誰なんだ?お客さまって…」役員のひとりがつぶやいた。
「支持者じゃないかな。われわれを当選させてくれた」
言葉を失っていた園場がこう言った。そして続けて発言した。
「総理が社長だとすれば、社員は政治家や官僚(公務員)だ。そしてお客さまは支持者となる」
「結局同じだよ。国民がお客さまで良いんじゃないか。支持者は国民だし。国民は税金というかたちで売上げをもたらしてくれる」副総理の真田が言った。
高大はこのとき本に書いてあったことを思い出した。
―――副総理の言っていることはまるで売上アップを望む〝店視点=国視点〟の考え方だ。そして幹事長の考えは、支持者のために政治活動を行っているこれまでの政治をまだ続けようとしている。
高大の本当の戦いがこの役員会をキッカケに始まろうとしていた。
【予告】 今後、変化がありそうな定例役員会が終了した。その後、ひとりの味方が…
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