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【小説】もし日本の総理大臣がPOP広告を描いたら〔第1章〕2
〔第1章〕 高大は『繁盛店が必ずやっているPOP 最強のルール』と出会った
第1節―2)
総理大臣になった山川高大(やまかわ こうだい)は、この1年間で次のように感じていた。
――― 今の政治体制では正しいことができない…
内閣も国会もそして党内も、一部の議員たちの悪しき習慣や常識、力の原理に翻弄されていた。権力をもった人間が力のあるものや力をもっているもののために政治を操ることが許せなかった。
高大は総理大臣になる前にこの習慣や常識を排除することにまず取り組んでいきたかったのだ。
〔今の政治〕権力をもったものが力のあるもののために政治を操る
vs
〔高大の目指す政治〕志のあるものが国民の視点で政治を一新する
権力をもつこと自体を否定しているわけではなかった。権力のかざし方に以前から違和感を抱いていた。
――― 権力をもつからこそ学ばなければならない
この一年間で国民が一番望んでいることが〝景氣回復〟であるとわかった。高大はそのためにまだまだ学びたいと考えていた。
そこで実行しようとしたことが〝繁盛店(老舗)から学ぶ〟ということだった。それはなぜかというと次のような考えをもっていたからだ。
――― なぜ繁盛店(老舗)は世の中の景氣に左右されることなく何十年も何百年も商売を続けることができるのだろうか?
高大は政権を維持し続けるために日本の政治を利用しようとは全く考えていなかった。
そんなことより本氣で〝日本の景氣回復〟だけを考えていた。日本という国を繁盛させるには官邸にいるより実際に商売を営んでいる人たちから学ぶしかないと考えていたのだ。
繁盛店(老舗)に〝景氣回復の真髄〟が必ずあると確信していたからだ。そして何か発見できると…。
自分のスケジュールを官邸にくる来訪者を受け入れるだけではなく、自ら学ぶために繁盛店(老舗)に出向けるように調整を申し出ていた。
この1年間、何度か試みようとしたが、できずにいたのだ。
しかし、月日が高大を変えた。本氣で数人の閣僚や議員に参考のため意見を求めた。
【予告】 閣僚の中心である副総理、財務大臣などが登場!